Categories
コラム

膀胱全摘に伴う選択 ~ ストーマ造設か代用膀胱か?

去年の1月に膀胱癌になっていることが判明してからは、まず最初に内視鏡による手術を行いました(1月下旬)。この手術によりがん組織を切除し、その組織を調べることでがんの進行度が分かります。
進行度を踏まえたうえで、その後の治療方針を決めることになります(下図参照)。

(出所)認定NPO法人キャンサーネットジャパンのHP

組織検査の結果を知らされたのは手術から約2週間後の2月中旬です。
「進行度は筋層まで浸潤している第Ⅱ期。治療方法は膀胱全摘出」という結果でした。
この時に膀胱全摘を覚悟しましたが、念のために神奈川県がんセンターを受診しセカンドオピニオンをもらいました。
セカンドオピニオン担当医の説明はとても分かりやすく「最善の方法は抗がん剤治療後に膀胱を全摘出すること」という治療方針についても改めて納得しました。
その後、抗がん剤治療を2クール行ったうえで、5/13に膀胱全摘手術を受けたという流れです。

手術にあたってとても悩んだのが「尿路変更をどう行うか」という点です。
お腹にストーマを作る方法(回腸導管)と新たに代用膀胱を作る方法があります。
このブログをお読みの方でこれから膀胱全摘手術を受ける方の中には、私と同じように尿路変更方法を悩んでいる方がおられるだろうと思います。

私の場合、最初は当然に代用膀胱を作る積りでした。その理由は「外見上、手術前と変わらない」ということです。
手術前の最大の趣味は水泳でしたので、手術後もそれまでと同じようにプール通いを続けたいと考えていました。更衣室での着替えや水泳後の入浴を考えると「外見上もそれまでと変わらないようにしたい」と希望していた訳です。
また、膀胱全摘出を経験された竹原慎二さん(ボクシング元世界王者)や小倉智昭さん(キャスター)が代用膀胱を選択されたことにも影響を受けました。

しかし、手術が近づくにつれて迷い始めました。
手術前には膀胱癌に関する情報を学術的なものを含めて広く集めましたが、それらによると「代用膀胱よりもストーマ造設を選ぶ人が圧倒的に多い」とのことです。主治医に尋ねた時も「ストーマを選ぶ人がほとんど」とのことです。

「なぜ外見上の問題が大きいストーマを選ぶ人の方が多いのか?」と疑問だったのですが、その後も代用膀胱を選択した人のブログや海外情報なども集めて検討した結果、最終的には私もストーマ造設を選択しました。
主たる理由は以下の2点です。

①代用膀胱の場合は腹圧をかけて排尿する必要があるので、人によってはかなり排尿に苦労することがある。
(この点に関しては、新膀胱を造設したある方のブログに「毎回の排尿に20分もかかる。夜中も3時間おきに排尿のために起きる」と書いてあり、「それはとても無理」だと感じたことが大きいです。)
特に、高齢になった後は排尿の問題が大きくなる可能性がある。
それに対して、ストーマを造設してしまえば頻尿や夜中の排尿などの問題からは完全に解放される。

②ストーマ造設(回腸導管)は歴史が古く、ストーマ生活をスムーズに送るためのノウハウや用品等も充実している(「快適ストーマ生活」という本が参考になりました)。
それに対して代用膀胱は歴史が浅く実績件数も少ない。手術を受ける側にとっては、回腸導管の方が安心感がある。

なお、この判断にあたっては、以下の二つの論文も非常に参考になりましたのでご紹介をしておきます。
膀胱癌に対する膀胱全摘除術と尿路変向術
回腸導管への道.医師として、オストメイトとして

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です